重松ゆうこ新聞 vol.4『農家の長男の嫁』

さて、前回のお話の続きをさせていただきます。 26歳になり、私は結婚することになりました。お相手は、福岡 市内で代々続く本家の農家の長男さんです。お父さんが専業農 家と聞いて、『都会の福岡市内にも専業農家さんがいるんだ!!』 とびっくりしたのを覚えています。 私の両親は農家ではなかったので、「農業の経験もないのに、 農家の嫁は務まらんぞ」と反対していました。 ですが、重松(嫁ぎ先)の父は、「農家は将来性がないから、息子 には継がせない。農作業はしなくていいから、安心して来なさい 。」と、言ってくれました。 すでに義父は旅立ちましたが、その時の約束通り、生前私に 農作業をさせることはありませんでした。立派な義父だった と思います。

義父が元気な間は、夫もサラリーマンをしていて、特に同居もせず私たちは交通の便がいいマンション に住んでいました。農作業はしませんでしたが、地域や親戚の集まりなどの会合には進んで出席していま した。お寺や神社のお掃除も積極的に参加してたので、今でもご近所さんや親戚との関係もとても良好で す。一日たりとも、みなさんへの感謝を忘れたことはありません。 現在はマンションから義実家へ戻り、夫と90歳の姑と暮らしています。 夫は義父が残してくれた田畑を見よう見まねで無農薬米を育てています。


昔は農作業の節目や冠婚葬祭で集まりが行われていましたが、時代の流れなのか今では随分と廃れたようです。農業は神事とも深い繋がりがあるといいます。耕作放棄地が増え、太陽光パネルが設置されているのを見ると、言いようのない寂しさ、悲しさを感じます。

親戚やご近所さんも昔は農家が多かったですが、私たちの代ぐらいから農家を辞め、次々とサラ リーマンになる人が増え、次第に専業で農家をやる人が激減しました。 「農業消滅」と言われていますが、私の周りを見るとそれを肌で感じます。福岡市内の漁業も同じ 状況だと聞きました。私は第一次産業の厳しい現状を訴え、その重要性に気付く人を増やしたいと 思っています。

次号に続きます。

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